[CREATOR snap #5] The Artist who has " Two Faces "- 1
きっかけは「女性への復讐」ー
「僕は中学校の時に女子生徒からいじめられてたんですね。
でも、それをじゃ拳でやり返すわけにはいかないじゃないですか、やったらダメじゃないですか。ということがあって、
そのまま卒業して高校は別にそういうこともなかったんですけど、何かそういういじめられた経験ってやっぱり常に残るじゃないですか。
僕それを解決したかったので、じゃあこのモヤモヤをどうやったら消せるんやろうっていうのをずっと考えてたんですね。」
渋谷で行われた展示の合間というあわただしいタイミングにも関わらず、落ち着いた口調で話してくれたのは
12/7 リリース、DREAMS COME TRUE
ライブ映像DVD同梱Blu-rayパッケージのジャケットコラージュ
( https://dreamscometrue.com/beautyandharmonylive/ )を手掛けた
コラージュアーティストであり、またビートボクサーの顔を持つ
Keigo Inamoto さんだ。
Keigo Inamoto
大阪在住のコラージュアーティスト。
2015年より学生時代の女性に対して頂いていた恐怖心を克服する為、
女性の写真を切り貼りする事で女性自身を抽象化するコラージュを始める。
2019年渡米しテキサス州マーファに長期滞在する、
帰国後は”人間の本能”をテーマにした作品作りを中心に行う。
その後、国内の展示及びフルコラージュによるアニメーション作品を発表。
instagram: keigo_im
twitter: Keigorrr
「ちょっと日本語が物騒なんですけど、
じゃあ、コラージュっていう手法で、女の人の顔を紙ヤスリで削ったりとか燃やしたりとか、
部分的に顔の一部分を切って抽象化することで
その過去のトラウマに対して復讐とか清算という意味で
女性の苦手意識をなくすために始めたっていうのがきっかけですね。
ちょっときっかけがダークかもしれないですけど。」
「制約」を脱したコラージュ制作を ー
「200人ぐらい。結局、女性の顔を切って抽象化したんですよ。
もういいよなって。結構自分の中で葛藤が生まれてじゃあもういいでしょうってなって。」
2019年、当時大阪市役所に勤務していたKeigoさんは
美術の勉強するためにアメリカに渡った。日本に戻ってくる頃に
作品作りに対する心境の変化が生まれる。
「もう女性に対する復讐って言うよりかは、そういうのじゃなくて、
人間の本能とか、無意識というのをテーマにやってみようと思って。
今日本では、コラージュってポップに作られてるとか
計算した感じに作られたコラージュっていうのが一般的なんですけど、
もっと法則とかルールとかなしのコラージュを作りたくて。という
思いがあって最近までそれでやってたんですけど。」
攻防戦に見出す「アート性」 ー
今年になってから心斎橋付近の移住したKeigoさんが、
インスピレーションを受けたあるものものについて語ってくれた。
「僕はその大阪の心斎橋とかの近くにこう住むようになって、
外歩いてると、そのいろんな建物の壁だったりとか電柱とか、ごみ箱とかに
色んなシールとかが不法になんですけど貼られてるんですね。
で、それを街側はあんまり良くないイメージがあるから消したいし、
剥がすんですけど。でも、その上にまたシールが貼られて剥がされの連続で
何か凄い逆にそれがアートやなと思って。
シールの剥がれ跡とか、グラフィティの消された跡とかが凄い綺麗に見えて。
今の僕はその大阪のそういうミナミって言われる
心斎橋とか難波とかそこにある壁の汚れをテーマに今作ってますね。」
負の感情のエネルギー変換 ー
女性への復讐をきっかけとしてコラージュアートを制作してたが、
現在はそういうものはないというKeigoさんは、当時の感情について振り返る。
「うーん、何かコラージュって。
負の感情とかも逆にコラージュにとっては凄くいいエネルギーで
いいものが生まれるんで。
結構出だしのそういうトラウマも僕にとっては
凄くいいエネルギーだったんですけど。でも今別にそれがなくても
今すごい精神的にもリラックスできてるんで、
それはそれでコラージュも別の形に変わってきていい形になってるんです。」
制作を始めた当初から見ると
最近の作品はモノクロながらも、カラフルな作品も増えたと
自身も自覚があるようだった。
【純粋にコラージュを楽しむ彼】があるからこそ出てくる言葉だ。
ビートボックスで創る現代音楽 ー
「僕は今自宅でビートボックスの音を加工しまくって、
もう一回聴いてもビートボックスって絶対分からへんみたいなレベルで
加工して曲を作るっていうのをやってますね。
自分で納得いったら世に出すつもりなんですけど。」
その制作のきっかけとして
ビートボックスシーンの盛り上がりに連れて、
彼の感じたことにポイントがあったようだ。
「シーンが流行るとバトルだけじゃなくて、ビートボックスで音源を
作ろうとする人が勿論、現われるし増えてくるんですね。
そんな中で、僕にはみんな【口で】音を出していることが分かるように
曲を作ってるように感じるんですよ。
それに対して、僕はその分かりやすさは必要なくて
曲を聞いたときに口でやってんやなっていうことが分からないように、
説明したときに初めて口って分かる曲ができればいいと思うんですよ。
なので、一見聞いたら何かパソコンのDTMで組んだ曲なんかなって
思われるかもしれないけど、説明で
【実はこれは口でできてるんですよ】っていえる、
そんなような曲を作ってます。AMBIENTとかNOISE系に近いですね。
ビートボックスの基本的な音はドラム、ハイハット、スネアなんですけど、
それ以外の技を録音して加工して伸ばしまくったりとか、
エフェクトかけまくったり。そんな現代音楽を作ってますね。」
ネオ・モダン・ビートなのか、
新しい音楽の第一人者としての彼の顔を想像するのは容易い。
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【 Keigo inamoto Works 代表制作一覧 】
・DREAMS COME TRUE beauty and harmony LIVE in LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2022
・EVISBEATS - Beautiful feat. J.B.POE