[CHREATOR snap #4 ] " 役者 " -私とワタシ-

 

 

演じるということ。
   
それは、自分自身とはまた違う人物をレンズの向こう側で表現をすること。 
 
僕らはいつも何気ない気持ちで、映画やドラマを見て 
感動をしたり、学んだり、作品の人物に自分を投影してみたり。 
 
ある種、日常では味わえない感情になる旅をしているような気がしている。 
 
その何気ない気持ちで作品が見られるのは、作り手の一人である演者の拘りがあるからではないであろうか。 
今回は役者の南ユリカさんより、彼女自身の事、演じること、日々の暮らしの中で大切にしていることをインタビューさせてもらえた。 

 

STYLING 

yurikaminami CHRAM pajamas 

yurika minami

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coat/vintage
inner/Y's
setup pajamas/CHRAM Classic pajamas-NAVY
shoes/NIKE×sacai×UNDERCOVER

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INTERVIEW 

yurikaminami CHRAM pajamas

南ユリカ  

役者  
千葉県出身。短編映画『Leo's return』をはじめ、『明日の食卓』『椅子』『ヒヤマケンタロウの妊娠』などの映画やドラマに出演、CMでも幅広く活動中。2022年11月4日より上映の『炎上シンデレラ』(尾崎将也監督)では与田紗代子役として出演。
シュルー所属。
http://shrew.co.jp/actors/yurika-minami
Instagram:@yurika_minami_

 

 

ー役者になられたきっかけは何ですか? 

 

  

きっかけがですね、私もともと「あんまマッサージ指圧師」っていう国家資格の専門学校に通って、そこからマッサージ師をしていたんですよ。 

専門学校を卒業して数年間、都内の鍼灸院や整骨院、代官山のエステのお店で働いてたんです。 

その中で、もう東京でやるならトップを目指そうと思って、売り上げトップのお店や流行りのお店でずっと働いてたんです。 

 

その後に、日本人なら海外で活躍する日本人になりたいなという夢だけを漠然と描いていて、絶対海外に行きたいなって。 

英語は全くしゃべれないのに。笑 

 

そんななか、たまたまイギリスに行く機会があって、これは行くっきゃないで行ったんです。 

イギリスに渡ってから語学学校に通ったあとに、マッサージの資格を取る専門学校に入って資格を取りました。

それからロンドン市内のセレブリティへの訪問マッサージを提供している現地企業に、たまたま紹介で入ることができて。
日本人が私だけだったのもあって、たくさん指名をもらって人気セラピストになりました。
 

 

ー異国の地で、すごいですね。

 

日本人はサービスも手厚いし、細かいから。 

ハリウッドの女優さんや歌手、ユダヤの大富豪の方とかそういう方がいっぱいいらして、 

そのくらいから生活がまわるようになったんですよ。 

それから3年ぐらい月日が経って、 

 

『アレ、これ夢叶ってるな』って思って、、、 

 

今まではやりたい事があったら、それをやっていて、 

その次の目標がすぐ出てくる状態だったんですが

それが叶ったって気づいたときに 

この先が出てこなくなっちゃって、、、 

 

この先ずっとここにいるのか、それともお店を持つことがしたいのか、 

一切夢が出て来なくなって、 

「マッサージ師は私が本当にやりたいことだったのか?」という事に気づいちゃってからは 

向こう(ロンドン)で、夢を叶えて理想のことやっているはずなのにぜんぜん幸せじゃなくて、 

絶望、なんだこれみたいな。 

というのを二十代半ばで感じたんです。 

 

それからもっかい考え直そう。と仕切り直しで、 

私が本当にやりたいことってなんだっけというのを 

リストアップしたんですよ。 

小さい頃からやりたかったこととか。 

 

 

そんな事を思っている時に、 

蜷川カンパニー・蜷川幸雄さん監督、藤原竜也さん、満島ひかりさん主演の舞台『ハムレット』がロンドン公演で来たんですよ。 

それを観に行ったのですが、すごく感動して! 

 

ー名作ですね、舞台は英語だったのですか?

 

日本語でお芝居をされて、英語の字幕が横に出る感じでお芝居するんですが 

お客さんの半分ぐらいは外国人の方で、 

言葉はやっぱり難しいじゃないですか、外国の方が日本語のお芝居を見るって。 

それでも、公演が終わった後は観客のみんなはスタンディングオベーションだったんです。 

 

当時、わたし自身が言語の壁で苦労をしたし、

仕事でも、言葉がなくても伝えられるものはあるけどそれでも結構大変だったので、

「芝居は言葉を超えて人の心を動かせる」ことに感動して、芝居は国境を超えるんだ、、、芝居すごい!って

その光景を見て思ったんです。 

 

やりたいことリストの中に、

「役者になりたい・お芝居をやってみたい」っていうのはあったんですけど、 

それがやりたいことの一番になったことはなかったんです。

それでも、蜷川さんの舞台をきっかけにやっぱり一回芝居やってみようかなって思えたんです。 

 

ー理想を叶えた上で新たなことに挑戦することはすごいチャレンジですね。

 

その頃26、7歳だったんですが、 

日本に帰国して、30歳まで頑張ってみて、

それでも仕事がなかったら海外に飛んで、 

もうマッサージ師として生きていこうって決めて、 

もし30までに仕事があったら、頑張ってみようかなっていう風にそのころ目標立てて、 

頑張ってみたら今です。 

 

無茶苦茶。笑 

 

 

cafe yurika

 

 

 

ーイメージなんですけど、26,7から役者をやるってキャリアとして遅いほうですか? 

 

遅いと思います。 

その中で、やってみてやっぱり大変でした。 

 

私の場合は、それこそ本当に何も知らない状態でやってみよう、 

とにかく事務所に入らなきゃ仕事なんかできないんじゃないかと思って、 

事務所探しから始めて、その時に年齢制限の条件を見て、 

「あっ私って遅いんだ」って気づいた。 

 

事務所で20代後半の募集が多くはなくて、たとえ私の年齢で所属できたとしても「レッスン料払ってください」って。 

 

ーその事実は知らなかったです。 

 

じゃあ、逆にレッスン料払ってでもいいから芝居を教えてくれる人の事務所に入ろうと思い、 

まずは事務所に入って、若いころから業界にいるわけじゃないからコネクションもないしどんな監督がいるかも知らなくて。

 

とにかく監督に会って、私を使ってくださいって売り込むしかないと思って、 

監督がワークショップを開かれたり演技レッスンをされていたりしたので、 

とにかく沢山参加して、好きな監督を見つけて、 

そこでどれだけ印象残すか、みたいなところに自分を賭けてました。 

 

お芝居のことはわかんないですけど、とにかくやる気はあるので、一緒に作品作りたいです!みたいな感じでガムシャラでした。 

 

 

smile yurika 

 

ー結構、体育会系ですね。笑 

 

そうですね。それを面白がってくれる方がいらして下さって、 

一番最初の事務所から今は二つ目なんですけど、 

前の事務所からたくさん経験させていただいて、 

 

今の事務所はCMのお仕事が多い事務所なんですけど、 

今の事務所に面白いと思っていただけて入ったのが2020年の事です。 

 

チャレンジしてよかったです。 

 

 

 

 

ー先ほど出たCMの話なんですけど、 

ECCジュニアの講師役と短編映画『Leo’s return』でのギャップがすごく、お会いする前は南さんご自身がどんな方か想像がつかなくて。もっと明るい方でした。笑 

 

そうですね、自身はそっちなんです。

今までは 、『Leo’s return』や影のあるような役にハマることが多くて、
CMのお仕事にはなかなか受からなかったんです。

 

今の事務所でお芝居の方法とかを教えて頂いてからは

先生みたいな役もできるようになれば、『Leo’s return』みたいなシリアスな役もできるように 

切り替えられるようになりました。 

 

私なんかが語れることはあまりないですが、お芝居の質が全く違うんですよ。 

 

 ー『Leo’s return』は短編映画でYouTubeで見ることができます。 

 

主役の旦那さんがアクターで海外へ撮影に行っている間に 

奥さん役の私が浮気をして、他の人との子供ができてしまい、 

子供を下ろそうかなって考えてるときに旦那が帰国してきちゃう 

ストレスを抱えてる感情を表現しているコロナ渦の家の中での話。 

 

 

ー当時はどのように役作りをされたんですか? 

 

 

あの作品は、監督としっかり話し合って進めていきました。 

メインキャストは三人、監督が外国人の方、 

クルーも全員外国人の方で進めていたんですね。 

 

本読みの段階からどういう関係性で、 

「どういう所に惚れてるのか」や「どういう所を尊敬してる」、 

「どういうものを抱えながら暮らしている」をキャスト間で話し合い、 

そこから自分で持ち帰って、役を作っていきました。 

 

 

ー話し合いは役について話し合うんですか?それとも個人自身についてですか? 

 

 

役についてですね。 

役や世界観というか、脚本から何を伝えたいかなどを

事細かに話し合いました。 

 

役そのものだったり、シーンについてだったり。他の役者さんと一緒に話しあったり。 

 

「私がこの子だったら、こう動くな」を考えながら作っていく感じですかね。 

勝手にその場で感情として出ちゃうものも正解だったりで、 

すごい面白いです。 

 

 

ー『役』を演じる実際の場面のときはその役に『自分が入り込む』なのか 、

自分の中の『そういう側面を出している』状態なのかどちらなのでしょうか? 

 

 

本を読んでいる時は自分と重ねたり、 探りながら考えながら、 

感情とぶつかり、ぶつけながらセリフを読んだりしています。 

 

実際、現場にいくときはもう"なっちゃって"る。 

なってないと多分私が映っちゃうんで。 

作品を作ってく上で、私が映されても仕方がなくて、 

役じゃなきゃ意味がない。 

 

 ー「私が映っても意味がない」、そのお言葉考えさせられます。

 

『Leo’s return』だとアカネという役で、 

アカネの状態でその場にいないと全部が崩れてしまうじゃないけど、 

会話もできないんです。 

 

だからカットがかかった瞬間に切り替わりますけど 

そのときは、私としてもアカネとしても対話をしながら、監督の話を聞いて 

またスタートして、の撮影の連続で、無我夢中でした。 

 

ー感覚的に切り替えてるのかなと思うと熟練ですね 

 

いやいや、全然ですよ。 

ただ心理状態が結構シリアスな作品を作る時は 

家にも持ち帰っちゃうので大変ですね、、家の中が 。

  

ー作品中はプライベートでも暗くなっちゃうんですか? 

 

撮影期間中は常々作品のことを考えてるので、
意識して切り替えるようにはしてますけど。 

(自分の中に)アカネがいるなぁみたいな感覚はありますね。 

 

シリアスな作品の時はそれぐらい覚悟もって臨まないといけないというか、作品に関わると決めた時点で覚悟をしています。 

 

ーある種の悪魔の契約みたいな、、、 

  

でもそれがやっぱやりがいじゃないですけど楽しいですね。 

嬉しいです、そういう役をいただけると。 

 

『Leo’s return』はけっこう大変でした。 

 

監督はインドの方ではっきり意見述べてくれる方で、実際作品入ったら、喧嘩でした。

でもいいものが撮れたのでよかったです。 

 

ー『Leo’s return』は27分ほどの短編映画。続きが気になる終わり方するのですが、結末は決まってはいないとのこと。様々な想いが込められた作品。映像もクルーも素敵ですので、ぜひリンクよりご覧ください。

 

 

 

 

  

ー役者として仕事をされていて、一番ご自身の中でやりがいのポイント、どんなときが一番うれしいピークが来ますか? 

 

 

現場でクルー達みんなとその作品を作っているところがすごい好きなんです。 

そこが喜びのピークですね。 

 

もちろんできあがりを見た瞬間も嬉しいんですが、 

作品準備や現場でみんなで話し合ってたり、同じ作品に向かっている一体感が楽しいです。 

  

ーゴールがピークじゃないんですね。 

 

過程が一番楽しいです。 

でも作品の編集は私の仕事ではないので、もちろんお任せしてますし、 

みんなの力が合わさったものがどういう風に出るんだろうっていうのは楽しみではあるんですけど、 

本人のワクワクとしてはここ(現場)にいる時が楽しいですね。 

違う頭の部分で考えると、撮影時は役のことでいっぱいいっぱいですけど、役の責任だったり、 ポジションの感覚で 。

でも考えてみたらそこで一番盛り上がってる自分がいます。 

  

ーそこに前職との違いはありますか?

 

私はマッサージ師って「個人対個人」のお仕事だと思っていて。 

作り手として共同作業じゃないので、 

私が思ったことをお客様と二人で作り上げていく感じはありますけど、 

それ以上増えることはないから。 

 

作品を作るときの醍醐味というか、みんなでつくるという事が超楽しい。 

「これがやりたかったんだ。みんながいる!」って。 

なので、絶対失敗できないっていう場所でも心の中では興奮していたりします。

 

 

ー凛とした表情と力強さを感じられる目の奥に

過去と対比し、今はチームで関わる作品と向き合う彼女のモチベーションとプロフェッショナルが感じられた。 

  

  

 

 

 

ー話題を変えますが、南さんのInstagramを拝見して、日本と韓国のハーフのように見えたんですが、どんな生い立ちですか? 

 

わたしの父が在日韓国人の第二世代なんです。

私が十代のころに父は帰化していて、私の国籍は日本人なんですけど、韓国の血が入っているんです。

 

私が二十歳になった誕生日の年にちょうど祖母が亡くなって、 そのお通夜の日に、双子の兄たち、姉と私の四人兄妹で夜飲んでいたら 

 

「ゆりかも二十歳になったしちょっと言うか」 って兄たちが言い始めて、  

「俺たち実は日本人じゃないんだぜ」って。 

そこで初めて知ったんです。 

 

ー韓国ルーツってガッツがあるイメージです。 

 

エネルギッシュじゃないですけど、そういう部分もあると思います。  

 

私自身韓国に行ったことはないのですが、

血として流れてるって嬉しいことではあるので、アイデンティティとして書いています。 

 

ー四人兄妹なんですね。よかったことや大変なことなど、どうでしたか? 

 

 

私はよかったんじゃないかなと思います。

兄たちが離れてるので、父親代わりじゃないですけど。 

兄妹で飲みに行ったりするし、頼れるところもあって。 

 

四つ上の姉がすごい美人なんですよ。 

うちの家族では姉が一番美人って昔から言われていたから 

お姉ちゃんの方がかわいいんだってずっと思ってて、 

だからわたしは一芸つけてひいでるじゃないですけど「負けねえ」みたいな 考えが

小さいころからあって、それがいま活かされてるなと。 

 

 

ー 昨年の十二月に元気な第一子をご出産された南さん。

産前と産後で日常と仕事、変化はありましたか? 

 

相当変わりました。 

「こうなるかな、こうやって変わるかな」って予測してたところをすべていい意味で裏切られた感じですね。  

 

ー産前はどのようにお考えでしたか?

 

事務所の方々にも私は産んでもすぐに仕事したいし、頑張っていくのでよろしくお願いしますって産休前からお伝えしていました。 

 

子供産まれたら産まれたで勿論仕事がしたいし、表現したいっていうのはあるんですけど、 

大事にしたいものが増えたことによって、 

仕事の在り方とか人生の在り方を俯瞰した目でもう一度見直して、構成しなおしていきました。 

 

目の前のことで私がやりたいこと・私の人生で成し遂げたいことを今まで考えて生きてきたけれども、 

子供が生まれたことによって、家族でどう幸せを作っていくのか、 

どういうことを達成していきたい、どういう経験を子供にさせてあげたいなどなど… 

もっと大きい目から他人(ヒト)のこと、自分のことを考えたり 

どういう風に仕事をしていけばみんながハッピーになるかを前よりも考えるようになりましたね。 

 

全体主義を考えてるのもわたしなので、結局個人主義の部分もあると思うんですけど、 

達成したいと思う気持ちに対して、 

"何でそう思うか"という質が変わりました。 

 

ー質が変わったというのはどういうところですか? 

 

自分の内側にもともと完璧主義みたいな部分があったんですけど、「こうしなきゃ気が済まない」とか。 

自分に厳しくなってしまう部分があって、それとうまく付き合いながらやってきたんですけど、 

ある意味完璧主義を手放さないと子育てってできないことってたくさんあるじゃないですか。 

 

イレギュラーしか発生しないし、「これはひとりごとじゃないな」って。

誰かとの共同作業でしかないなと気づいて。

なので子供が生まれたら「完璧主義を手放さなきゃ」って思って手放したというよりは、
生まれてすぐの慣れない必死な時間を乗り越えるなかで、いつの間にか手放していました。

 

 

それから、仕事がまた回るようになってきて、お母さん業も10か月目にしてやっと慣れてきて、完璧主義だいぶ取れてるなって。 

楽になったというか、少し余分なものが消えたかな。 

「あ、いらなかったんだなぁ。あれ。」っていう。 

余分なことがあったからこそのがあると思うんですけど、 

身体のことも変わったしメンタルもどちらも変わりました。 

出産・子育てって面白いですよね、神秘です。 

 

 

ーお子さんが生まれてすごい大変だなという側面とよかったなっていう側面があると思うんですけど、他にもあったりしますか? 

 

 

結構行動が制限されるとか聞いたりするんですけど、 マイナス面は感じていないです。 

二十代がむしゃらにチャレンジして、死ぬほど遊びもそうだしやりたいことを突き詰めてきたから、 

あまり欲の部分がそこに残ってなかったです。 

子育てが落ち着いたらまた欲は復活するんだろうけれど、 

今は押さえつけられてるとか子供がいるからみたいな部分に関してはあんまり不自由はないです。

 

今までオーディションも私一人で行っていたのですが、

どうしても子供と一緒に行かないといけない日があるんです 。

そういうときは事務所の方が「一緒に行っていいよ」とか配慮してくださってます。

 

そうすると今までキャスティングの方であまりお話ししたことがなかった方でも 

子供がいるとまた会話が膨らんで、その方の人生とか『うちも子供がいて』っていう話が聞けて 

この方もそうだよな人間だよな、じゃないけど、 

膨らみ方が違うというか仕事を違う角度から楽しめて、人間付き合いが広がりました。 

 

ーお子さんが与えてくれたものは多いですね。 

 

圧倒的に多いです。 

それこそ子供がいなければ出会えなかったヒトももちろんいるので、 

すごいいいなお前いいな。(笑 )って。

 

 

ー南さんのInstagramの投稿でお子さんと「一緒に育っていこう」というような文をみて気になりました。どういう心境で綴った文だったのでしょうか? 

 

私の人生のテーマで成長し続けたいっていう欲があるんです。

止まりたくない、というか。 

 

結局お母さんになった瞬間にゼロだから伸び代しかないじゃないですか。  

慣れてきた頃でも、 

子供も見るからに成長してるからこっちも対応してかないと 

一緒に成長していかないと対応しきれない。 

  

私がもっと成長することによってこの子の成長にも役立つと思ってます。 

この子に育ててもらってる部分もあり、私が心身的に、物理的に育ててる部分もあるし。 

 

支えあいじゃないですけど 、

「一緒に頑張ろう。」 っていう感じですね。 

 

 

 

ーマッサージ師もされていた南さん。心と身体はリンクしてると思われますか? 

 

 

確実に思ってます。 

マッサージ師としてすごい数のお客様を担当させていただいていたので。 

メンタル状態は身体に出る方が多いと思っています。 

逆に身体をほぐし、整えておくことで仕事に成果が出たりとか日常に変化が出るというサイクルを話でも聞いていましたし、 私もお客様を見ていて実感していたので 

自身の身体のケアを怠らないように私はしています。 

 

 

仕事、育児、セルフケアをする中でどんなところをメインで気にかけていますか? 

 

あんまりこうするべきを決めておかないようにしてます。 

べきは決めておかないで、スケジュールが変動するので柔軟に。 

「いきなり空いちゃったよ、どうしよう」はないです。 

マイナス面を考えている時間がもったいないので、とにかくプラスに動くように考えていて。

「今日これできなかったよ、こうするべきだったなあ」と反省はしても自分を責めることはせず、
前日に明日のことは考えておいて、できなかったら仕方がない。って切り替えてます。  

 

CHRAMは快眠できるように拘ったスリープウェアなんですが、

さんが睡眠で意識されていることはありますか? 

 

とにかく導入を大事にしてます。 

それこそリラックスしたパジャマを着ることや寝る直前にスマホを見ない、 

見ててもちゃんと深呼吸してから寝ようとか。 

でも今産後は子供がまた起きるかもしれないと思っちゃうと、

頭が一部冴えちゃって、深い入眠には以前よりなってないので、香りに気をつけたりしています。 

  

ー導入するときにウェアも大事にするって仰られてましたが、 

ウェアを選ぶ際にどんなところを意識して選んでますか? 

 

私は肌触りとデザインかな。 

楽さですね、これすっごい楽ですね。 

動きやすい、形が大きいからですね。 

 

好きです。 

 

 

ー今日スタイリングのポイントは? 

 

 

女性らしい恰好ももちろん好きなんですけど、 

結構メンズライクなスタイリングも大好きで、こちらのパジャマを見たときに、 

形がユニセックスでゆったりしていたので、メンズ寄りに攻めようかなって思いました。 

ちょっとエッジがある靴を履いてみて、色遊びは好きなので、靴下でシルバー投入してみました。 

外でも着れられるデザインだったので、セットアップとしてって考えたときにコートで色を遊ぼうかと。 

 

 

 

ーインナーと相まってすごいシックな感じでステキ 

 

ありがとうございます。 

ちょっと女性らしさもそこにはあったほうがいいと思って 。

 

ーイギリス留学されてたことはファッションにも影響がありますか?  

 

音楽のルーツはUKロックが好きで、 

もともと惚れこんだブランドはヴィヴィアン(vivienne westwood)ですね。 

十代の頃に読者モデルをやらせていただいてて 

自分で古着コーディネートやコーディネートサンプルとか企画をやっていて、 

洋服が好きでいろんな古着すごい買ってみたり 

その当時の彼氏がコンサバ好きな彼氏だったらテイストを合わせて頑張ってみたりと、いろいろ経た上での今です。 

今はアンダーカバーがすごい好きです。カルチャーが入ってる。 

 

ーカルチャーで洋服を見てるとこもありますね。  

 

作り手の人の想いとかを見てるかもしれない。 

私の年齢ぐらいになってくると 

周りでもともとアパレル企業にいて、独立してブランド立ち上げたって人がいるので、 

そういう想いを知っているとその子の服が着たいなって。 

パワーが欲しいというか。 

そのパワーをもらいたくて着たり、コンセプトを着るというか 

ていう感じで服が買えたらいいなって思います。 

 

ー今どっちかっていうと入れ替わりっていうか、インスタントな考え方がすごい増えてますよね。 

 

十代の読者モデルやってたときに 

「花柄がブームなので花柄を取り入れたコーディネートで何着か組んでくださいみたいな企画をいただいてたんですけど、 

もともとあんまり流行に興味がなくて、それで服を買うのが好きじゃなかったんですよ。

その企画のためにファストファションのお店に通っていたんですけど、早いサイクルで服を消費したりするのがあんまり好きじゃないていうのに十代の時に気づいて。

スタンダードなものだったり思いのあるものを私は着たいなって思いは十代の時からぶれてないところです。 

 

ーちなみになんでヴィヴィアンなんですか? 

 

ヴィヴィアンは漫画のNANAの影響です。世代なんですよ。

セックスアンドピストルズやUK音楽のカルチャーが入ってる漫画で、

「ヴィヴィアンかっこいい!」って衝撃を受けました。

 

中学3年生の修学旅行先がイギリスだったんです。

その時に絶対ヴィヴィアンの本店行くんだって意気込んで、実際行きました。

店員さんからしたらなんだこの中学生、みたいな感じだったと思います。笑

 

でもやっぱり大人になればなるほど、 

これを着こなすにはこういう大人にならないと、とかまだ足りないなとか 

いっぱい思うことはあります。 

 

 

ーお洋服すきが伺えますね。洋服選びの基準は? 

 

パワーがもらえること。 

あとそれこそ役のことイメージして服着るっていうのと 

オーディションのときはそれでいくのでそういう時も対応できるコンサバっぽいのも持ってたりするんですけど、 

私色々な気分があるのでそのときの感覚です。 

ハマるととことん突き詰めたいタイプで 

ブランドを好きなると一気に調べて、  

そこから厳選していくんです。 

このアイテムわたしにフィットするな、って。 

 

 

 

ー今後の活動について

 

もちろんお仕事を続けていきたいですし、 

少し落ち着いたら舞台や映画もやりたいなと思っています。 

それから、もっと海外のクルーと仕事したいなっていう気持ちもあります。 

今後もしかしたら海外移住もするかもしれないので。 

もっと楽しく世界に開けていきたいなって思ってます。 

 

ー告知はありますか? 

 

直近の作品では、11月4日より公開された、尾崎将也監督の【炎上シンデレラ】という映画に出演させていただきました。

これからOAされるCMもあるので、是非画面で見つけてもらえればと思います。

 

 

ー炎上シンデレラではどういう役だったんですか? 

 

私は主人公が映画編集者の役柄でその子をすごい心配して仕事を振ってあげる映像編集の女性バリキャリ女性。 

尾崎監督には作品が決まる以前からずっとワークショップを通してお芝居を見ていただいて、
そこで個性を知っていただいていたからなのか、
私みたいな、似てるじゃないですけどご褒美のような役なんです。

スクリーンで見るのは恥ずかしいんですけど。笑

 

 

ー先ほどは『役』に自身がなりきるというお話でしたが、 

わりとそれは等身大でやられた? 

 

 境界線がほぼないというか、不思議な感覚でしたね。親近感を感じた部分もあって、楽しくお芝居させてもらいました。